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~毎日少しずつブラッシュアップ!シンプルに子育て生活を楽しみたい~

【読書録】普通って何?

こんにちは。

momoです。

 

今日は、こちらの本を読んでいろいろと気づきがあったので、記載しました。

泉谷閑示さんの『「普通がいい」という病』です。

 

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私自身が今現在、心身的に疲労しているとか、精神的な病を患っているわけではありませんが、以前よりも個人の価値観や生き方が大切にされる時代になってきている中で、なんとなく目につき読んでみようと思った本です。

 

著者が精神科医のため、全体としては私には難しい内容でしたが、専門的な話は少ないため医療従事者以外の方でもとてもためになる内容がたくさんあると感じます。

そのため、難しい箇所がある中でも、私もあきずに最後まで読みたくなる内容でした。

 

以下に、特に私が心に残った箇所を自分なりに要約して、まとめました。

 

◆人間という生き物の根本的な特性を深く理解し、「自分で感じ、自分で考える」。

今まで疑うことなく信じていた様々な常識や知識を一度丁寧に洗い直してみる作業が必要。

 

◆正常と異常は、境目のない連続したもの。自分を1つのものとして捉え、異常/正常というレッテル貼りを自分自身に対して安易に行わない。

 

健康にこだわっている状態というのは、逆に不健康な状態

 

◆「治ったら、スッキリして悩みもなくなって、きっと楽になるはずだ」と考えがちだが、実際はあるべき悩みを悩むようになる。それが「治る」ということ。

治療によって、悩み、苦しみなどがはっきりと意識上に出てきた上で、悩み・苦しみ・葛藤を持ちこたえられる力、葛藤が解決するまで、持っているあるいは待っている力が養成されるようにする。

「安心して悩める」という状態が健康な状態。

 

◆クライアントの悩み・苦しみをどうにかしてあげようと、自分の考える答えを教えたくなってしまう。しかし、それはクライアント自身の葛藤を持ちこたえる力を育てないどころか、自分自身で答えを見つけ出す力を退化させてしまい、セラピーへの依存を作ってしまう。

 

我が子を他者として認識することは、子育ての基本。

「この子はどんな人間なんだろうか?」という自然な関心が湧いて、丁寧に観察することだろう。

親子の会話でも、自分はこう感じるが、この子はどうなんだろうかと、丁寧な擦り合わせが行われていくはず。そして子育て全体が、その子どもにとっての幸せのために方向づけられていくのではないか。

 

うつ病の患者さんは、よく昼夜逆転になる。

患者さんにとって日中とは、精神的にとても苦しい時間帯。しかし世の中の人たちは仕事をするなど、ちゃんとした時間。夜はみんなも休んでいるため、自責の気持ちに苛まれにくい。そういう事情によって昼夜逆転は起こってくる。

うつ状態の人にとっては昼夜逆転が自然な状態であり、その働きに一度自分をゆだねてしまうほうが、治癒力が発動しやすい。

 

◆「マイノリティだから劣っている」という思い込みの問題を考える上で分かりやすいのは、アンデルセンの『みにくいアヒルの子』の話。

自分だけが違っていて、「みにくいアヒルの子」と周りからレッテルを貼られ、自分でも貼ってしまう。ところが成長していったら、自分は白鳥の子であることが分かったという物語。マイノリティであることに苦しんでいたクライアントが、のちに白鳥になるような変化を起こすことは少なくない。

 

◆死を目前にした時に、自分自身の生が不自然だったと思えてしまったなら、たぶん大変な後悔が訪れる。死という問題をきちんと見据えて生きることは、最後の瞬間にとても大きな違いを生むものではないか。

 

 

 

 

このような内容が書かれていました。

 

健康に拘るのは不健康というのは、保健師として働く私にとって、心に刺さるものがありました。

私自身もなるべく健康でありたいと常日頃思っていましたが、終始その考えに取り憑かれていること事態が、心の健康にとっては良くないことなのでしょうか。

ストレスを感じてまで健康に固執した生活を送るべきではないのか、その正した生活が当たり前になってしまったり、そのほうが自分に合ったり体調が良ければよいけど、加減はむずかしそうですね。

 

病気と診断された瞬間に「不健康」のレッテルを貼られたような感覚になります。

けれども、実際にはその前から身体の状態はよくないわけで、その診断を上手く活かし良い状態に整えることができれば、そこからは心身の「健康が保たれている」ことになり、いわゆる「健康」といってもよいということになるのでしょうか。

 

 

また、精神疾患のある方が昼夜逆転するのは、自己防衛的な自然な反応というのは、私の中で腑に落ちすぎて衝撃でした。

今後、昼夜逆転している方に出会っても無理矢理治そうと思わずゆっくり見守れる気がします。

 

そして、「死という問題をきちんと見据えて生きること」ですが、スティーブン・R・コヴィーさんの「7つの習慣」という本で、大切な習慣の1つとして、終わりを思い描くことが重要で、自分の葬式の参列者や読んでほしい弔辞を思い浮かべながら、理想に近づくよう日頃から生きることを勧めていました。

また、タレントの田村敦さんも、若いうちから死生観を持って生きることの大切さを伝えていたことも思い出しました。

「死」についてはまだまだ先のことという意識になりがちですが、後悔のない生涯を歩むためにも、「死」について考えることはやっぱり必要なんでしょうね。

 

 

 

というわけで、一個人としても、医療職者としても、いろいろと気づきがあった本でした。

 

すぐに「普通」っていう言葉をよく使ってしまうけど、普通って自分が生きてきた価値観の中での標準でしかないので、他人に押し付けないように気をつけないといけないなぁと思いました。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。